5. 農業災害対策の充実について

Q.

農業災害対策の充実についてお伺いいたします。

(須藤昭男)

 農業は、極めて自然条件に左右されやすい産業であり、自然災害による影響は、幾ら農業技術が発展し、また、農家が努力しても避けがたいものがあります。本県においても、これまで幾多の台風や長雨等による被害が農家に重大な影響を及ばしてきました。施設園芸地帯である私の地元でも、一昨年の1月の大雪による数多くのビニールハウスの倒壊被害が記憶に新しいところでございます。特に、最近は異常気象と言われるような現象が毎年のように起こっているように感じられ、大変に心配であり、県内の農家も今後の農業生産が安定的に続けられるのか、非常に不安を持っていると思います。
 知事は、さきの9月県議会において、21世紀は食料の時代との認識のもとに第1次産業を重視し、群馬県内の実情に応じた農政を積極的に展開していくとの御見解を示されております。また、昨年、食料・農業・農村基本法が制定されたところであり、本県として食料自給率の向上や農業経営の安定などに向けたより積極的な方向を示すべきであると考えております。
 こうした状況のもとで農業災害対策の重要性はますます大きくなっており、災害を受けた農家に対して早期に的確な支援策が講じられ、農家が意欲を失うことなくさらに積極的な農業経営を展開できるよう対策を一層強化する必要があるのではないかと考えております。
 そこで、農政部長にお尋ねいたします。
 まず、近年の主な農業災害の発生状況とこれに対する県の対応はどのようになっているのか。
 次に、県の農漁業災害対策特別措置条例、いわゆる農災条例については、制定後約40年を経過したと聞いており、県内農業の実態に合わなくなってきている部分やより充実を図るべき部分もあるのではないかと考えております。例えば、本県の農業の中で比重が高まっている施設園芸等の被害に十分対応できないのではないか。早急な復旧等を講ずるために欠かせない融資対策がもっと迅速かつ十分に行われるべきではないかと思われますが、県として農災条例の課題についてどのように認識しているのか、お伺いをいたします。また、今回本議会に条例改正案が上程されておりますが、こうした課題に十分対応できるものなのか、具体的改正内容はどのようなものなのか、お伺いをいたします。

A.

農業災害対策の充実についてお答えいたします。

農政部長(富田敏彦)

 まず、近年の農業災害発生の状況でありますが、平成8年7月の降ひょう等で野菜などに44億6000万円、平成10年1月の降雪で野菜に6億7000万円、同年前半の高温多雨等一連の異常気象により麦に33億2000万円、同年9月の相次ぐ台風により水稲等に54億6000万円等の大きな披害が発生しているところであります。
 県では、農業災害補償制度、いわゆる農業共済とあわせまして農漁業災害対策特別措置条例によりまして、30%以上の被害の発生した圃場が10ヘクタール以上となった災害等を知事が指定し、被害農作物等の早期回復措置や被害後の代替作付等に対する助成措置、また、農業経営や施設復旧に必要な資金の融通措置を講じているところであります。ただいま申し上げた災害を含め、平成8年度以降、あわせて18の災害に対して条例の指定を行いまして、合計約1億1900万円の助成措置などを行ったところであります。
 次に、同条例の課題についてでありますが、1つとして、議員御指摘のとおり、昭和35年の同条例の制定当時の稲作、養蚕等を中心とする形態と比べて、現在は園芸作物の粗生産額が全体の5割弱に達しておりまして、中でも施設園芸が急速に伸長しているなど大きく変化しておりますので、これに対応した災害指定や融資、助成が行えるようにする必要があること、2つとして、農業者の主体的な取り組みによる早急な災害復旧、生産力維持を図るため、融資面での対応をより円滑かつ迅速に行う必要があることなどの課題がありますので、農業経営の安定、食料自給率の向上等を図る上での農業災害対策の重要性にかんがみ、県として十分な対策を行う必要があると考えております。このため、こうした点を踏まえた条例の改正案を本議会に提出し、御審議をお願いしているところであります。
 具体的には、施設園芸農家等が局地的に多額の被害を受けた場合等に対応するため、被害面積による災害指定に加えまして、被害額方式を導入いたしまして、30%以上の被害面積が5000万円に達した場合にも指定できることにするとともに、園芸施設被害に対する助成措置等を新設することといたしました。また、災害に係る融資措置の活用については、災害指定の告示を行わないことにするとともに、災害ごとの融資枠設定を廃止して、災害後迅速に融資措置が開始できるようにいたしました。このほか、年間融資枠を5億円から10億円に拡大し、また、農漁業用施設資金の限度額を500万円から1800万円に、償還期間を7年以内から15年以内に拡充しております。さらに、農業近代化資金と同様、農業信用基金協会の保証制度が活用できるよう改め、同協会に所要の出資を行うことにより、農業者の借り入れの円滑化に万全を期すこととしております。
 これらの改正は、農業災害に対する県内農業者の不安をかなり緩和し、経営安定に資するものと考えております。




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