2.完全学校週5日制に向けた取り組みについて

Q.

完全学校週5日制に向けた取り組みについて

(須藤昭男)

 新年度から、新学習指導要領実施に伴って公立の小中学校では完全週休5日制へ移行することになります。いわば子供達の完全週休2日制がスタートするわけです。学校の週5日制は、平成4年9月から月1回第2土曜日で、そして平成7年4月から月2回第2、第4土曜日で実施されてきました。この間、おおむね順調に推移してきたようでありますが、いよいよ本格スタートとなります。この制度の狙いは、従来の受験に向けた詰め込み教育、知識偏重などと批判された学校教育のあり方が不登校や校内暴力、いじめなど学校の荒廃をもたらしたとの反省から、児童・生徒にゆとりを持たせ、生きる力をはぐくもうとする点にあるといわれております。

ここで大事なことは、この制度の趣旨を生かすためには、学校だけでは不可能で、家庭、地域社会の3者がより一層連携を深める必要があり、そのための牽引役はやはり学校であると思います。学校週5日制の完全実施を目前にして、保護者の中には学力の低下、学習塾通いの増加、さらに、テレビやゲーム、漫画などで過ごす時間が増えるなど心配する意見が多いと聞いております。特に最近の子供たちは、生活体験や自然体験など、体験が不足していると言われていますが、完全学校週5日制により、、こどもたちが家庭や地域で自由に過ごすことのできる土曜、日曜の2日間を子供同士の遊びや地域活動、自然体験、スポーツ、ボランティア活動など様々な体験を通じて自己を見つめる機会とすることが大切であり、実際に体験する機会を豊富に持てるよう取り組み事が大事であると思います。

そこで、完全学校週休5日制を円滑に導入するにあたり、土曜、日曜を子供たちが有意義に過ごすために県教育委員会としてどのように取り組もうとしているのか、また、実際それぞれの地域に合った様々なプランを提供するのは各市町村であると思いますが、各市町村教育委員会の連携について、教育長にお伺いいたします。

A.

完全学校週5日制に向けた取り組みについてのご質問にお答えします。

教育長(高井健二)

 いよいよ本年4月から学校週5日制が完全実施されます。そこで、休日となる土曜日、日曜日の子供たちとの過ごし方が大切になります。子供達は、この2日間を精神的なゆとりの中で伸び伸びと過ごしたり活発に行動したりして、たくましく心豊かな人間に成長していってほしいと願っているところであります。
子供たちが土曜日、日曜日に家庭や地域で過ごす時間がふえるために、子供たちの人間形成について家庭や地域が果たす役割は相対的に大きくなりまして、家庭や地域での教育のあり方というものも課題になるものと考えております。
 学校にあっては、これまで以上に地域と連携し、開かれた学校づくりを進め、地域と一体となって子供たちを教育していくことが望まれます。また、教職員もそれぞれ地域の一員として、地域の子供たちの教育に携わることが必要であります。社会全体で子供を育てるということや教育に当たるということの意味をお互いに考え、学校・家庭・地域がより一層連携し、子供たちの生きる力をはぐくんでいきたいと考えているところであります。
 子供たちは、月曜から金曜まで学校で勉強や部活で充実した日々を過ごし、土曜日、日曜日には家庭でお手伝いや自宅学習、読書をし、また、休息をとる。そして、積極的に文化・スポーツ・ボランティア活動、地域の自然・歴史探索などを友達と、あるいは地域の人たちと触れ合いを深めながら楽しむ。
こういうようなことは子供たちの成長にとって大変有意義だと考えております。
 こうした観点から、県教育委員会では、昨年から検討委員会を設けまして、完全学校週5日制のもとでの子供たちの過ごし方につきまして協議を重ねてきたところであります。本年度内にこれらを、土曜日、日曜日を子供たちが有意義に過ごすための手引書としまして、学校や関係機関、地域の指導者向けに取りまとめの上配布して、子供たちを対象とするさまざまな取り組みのために役立てていただきたいと考えているところであります。
 また、県教育委員会では、検討委員会からいただきました御意見等も踏まえ、各種の施策を体系的に盛り込んだ家庭・地域子ども育成プランを策定し子供たちが土曜日、日曜日を有意義に過ごすための4つの重点戦略として推進していくこととしております。
 その第1は、あらゆる教育の原点である家庭教育に対する支援であります。全市町村で実施する子育て講座の推進や、子供を持つすべての親に家庭教育手帳、家庭教育ノートを配布するなど、家庭での教育に対する支援を拡充することとしております。
 第2は、市町村との連携による地域での子育て体制づくりの支援であります。子供たちが身近な人々とのかかわりの中でボランティア活動やスポーツ活動等に参加できる場所づくりを応援してまいります。
そのため、子供たちに活動の機会を効果的に提供する学校内外を通じた奉仕活動・体験活動推進事業及び子ども放課後・週末活動支援事業の実施、スポーツ少年団の活動支援等、市町村と連携して地域に密着した多くの事業を支援していくこととしております。
 第3は、自然体験や生活体験など子供たちの自主的な活動の場や、体験活動機会の拡充であります。そのため、ぐんま天文台における子ども天文学校の開設や県立美術館、博物館における子どもミュージアムスクールの実施、また、県立高校等で子供や親子を対象とした学校開放講座の開催、青少年教育施設における自然体験活動の実施等々、県有施設における子供たちを対象としたさまざまな事業を展開します。

 第4は、子供たちの自然体験や本物体験、自主的な活動の場所の整備・充実であります。新里村に整備を進めているぐんま昆虫の森、これを子供会などの団体利用のために、本年6月に一部利用を開始する予定であります。また、県立美術館、博物館では中学生以下の無料化や土曜日の開館時間の延長を行い、子供たちが美術や歴史に親しむ機会を拡充することとしております。

 これらの事業の推進に当たっては、市町村はもとより、青少年教育団体等とも緊密な連携を図ることは言うまでもないことと考えております。今後、この家庭・地域子ども育成プランについて、市町村とも一層連携を深め、保護者を初め学校・関係機関等に幅広く普及・啓発を行い、社会全体で子供を育てる体制づくりに努めてまいりたいと考えております。

 なお、秋口には学校完全週5日制導入後のフォローを行うため、学校教育関係者、社会教育関係者、青少年団体関係者などから成る連絡協議会を設け、土曜日、日曜日の子供たちの過ごし方につきまして実態把握に努め、さらなる施策への反映に努めてまいりたいと考えているところであります。




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