3.教員の資質向上について

Q.

教員の資質向上につきましてお伺いいたします。

(須藤昭男)

 先日、遠山文部科学大臣から発表された人間力戦略ビジョン新しい時代を切り拓くたくましい日本人の育成の中に「教えるプロとしての優れた教師の育成・確保」という項目があり、教員養成機能の強化、10年経験者の研修の義務化、新たな教員評価システムの導入、児童・生徒への指導が不適切な教員の転職措置等が主要施策の例として挙げられております。
 教員の質の向上が指摘されて久しいわけですが、現在、教育現場では、専門知識に欠け、向上心もない、子供や同僚・保護者との人間関係がうまく築けない、いわゆる指導力不足の教員を排除する制度を取り入れる自治体が増加しております。
 神奈川県では、校長の申請に基づき、県教育委員会が第三者を交えた判定会の意見を参考にして指導力不足を認定し、1年単位の研修を義務づけております。また京都市では、6年前から指導力不足の教員を授業から外す制度を導入しており、昨年度までに計53人を退職させたそうであります。これは校長の申請に基づき、校長経験者である地域教育専門主事が個々の指導力不足の教師に授業方法の改善などを指導し、一、二年程度の個別指導で改善が難しいと判断した場合は退職を勧めるというものであります。
 「子どもを育てるなら群馬県」というのを県政の大きな目標にしている我が県にとりまして、教員の果たすべき役割は大変大きいものがあると思いますが、教員の資質向上についてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
 また、現在18の都道府県が指導力不足の教員の認定や研修について規則や要綱などを定めており、今後、21の県も今年度内に定める方向で進んでいると聞いておりますが、我が群馬県では指導力不足の教員に対してどのような対応あるいは処遇を考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。

A.

教員の資質向上についての御質問にお答えいたします。

教育長(高井健二)

 社会の変化に対応し、21世紀をたくましく生きる児童・生徒を育成するため、教えるプロとしての教員の資質能力の向上を図ることは当然のことと思っております。そのため、県教育委員会では、教科指導にかかわる研修を初め、初任者研修や5年目、10年目の研修、あるいは生徒指導主事や教務主任研修など、ライフステージや職能に応じた研修を組織的・体系的に実施するとともに、新学習指導要領の実施や教育の情報化など今日的課題に対応する研修講座を積極的に開催しているところでございます。教職員数の約1.8倍に当たる年間約3万人が県総合教育センターで研修を受けているところでございます。
 これに加えて、社会的視野に立った幅広い教育力を培うため、全国的にも余り例を見ない1年間にわたり教員を民間企業に派遣したり、知事部局の一般行政分野に派遣する長期の社会体験研修を行っているところでございます。
 さらに、企業経営者や県議会議員、学識経験者から成る教員の資質向上を考える懇談会を設置いたしまして、教員のあり方について御議論いただいているところでございます。
 次に、指導力不足の教員についてのお尋ねでございますが、本県においては既に平成11年度より、教科指導や生徒指導等に課題を有する教員、いわゆる指導力不足教員に対しましては、その状況や程度に応じまして、日常の勤務校での職務遂行とあわせて、県総合教育センターにおいて1年間にわたって教育力の向上に役立つ研修を行っているところであります。
 このように県独自に指導力不足教員の取り組みを行っている中、国においては、昨年度から児童・生徒への指導が不適切な教員を長期間学校外で研修させる場合の定数の補てんや、研修をさせても改善がなされない教員は他の職に転職させることを可能とする法律改正などの条件整備がなされてきたところでございます。
 これを時宜に、県教育委員会では、大学教授や民間企業経営者並びにPTA役員等の有識者を委員とした指導力不足教員の人事管理調査研究検討委員会を設置しまして、いわゆる指導力不足教員への対応の制度化について、公平・公正な立場から幅広く検討していただいているところでございます。
 現在、どのような基準で、どのような手続を経て指導力不足教員と判定するのか、さらには、その結果に基づく研修、転職及び免職などの処遇等につきまして熱心に協議を進めていただいているところであります。今年度末までには検討委員会からの報告を受ける予定であります。その報告を踏まえまして、さらに県教育委員会としての検討を加えた上で、平成15年度から具体的な対応をしていきたいと考えているところでございます。
 教育は人なり、かけがえのない子供たちの無限の可能性を開かせ、実を結ばさせるためには、何よりも教員の力に負うところが極めて大きいものでございます。県教育委員会としては、指導力不足教員に関する課題解決を最優先課題としてとらえまして、県民、保護者の理解をいただきながら、今後とも積極的に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。



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