2.指導力不足教員について

Q.

本年度から指導力不足教員の認定基準を定め、運用を開始しましたが、スタートから半年あまりが経過した現時点での取り組み状況はどうか?

(須藤昭男)

 先日、新聞でも指導力不足教員に関する全国の取り組みの状況が報道されたところですが、それによりますと、47都道府県と12政令指定都市の合計59教育委員会のうち指導力不足を認定する判定委員会を設置しているのは23の教育委員会で、それぞれで運用を始めております。
昨年度、指導力不足と認定された教員は289人と増加の一途をたどっているとの内容でした。
 具体的な内容としては、基礎的な知識、技術不足で、算数の計算問題や漢字などで間違いを教える。児童の要求を聞き入れすぎて振り回されている。自分の価値観と感情のみを優先させて児童と接する。生徒の目を見て話すことができない。保護者の意見も聞かず、校長の指示にも従わない。授業中、生徒の方を見ない。生徒全員が教室を抜け出しても、淡々と授業を続けた。など、耳を疑いたくなることばかりです。
 教えるプロとして、教員の資質能力の低下が一部で進んでいるのが現状であると思っております。
 そこで、群馬県教育委員会として遅ればせながら、本年度から指導力不足教員の認定基準を定め、運用を開始しましたが、スタートから半年あまりが経過した現時点での取り組み状況はどうか、今後の方向性とあわせてお伺いいたします。
 そして、指導力不足教員認定についての具体的な内容について3点お伺いします。
 まず、1点目は、認定の基準はどのようなものか。2点目は、認定をされた教員を対象に行う研修の中身はどのようなものか。そして3点目は、認定をされた教員を現場復帰させるかどうかの判断する基準はどうなっているのか。教育長にお伺いいたします。

A.

教員自らが指導力の向上に積極的に取り組むことが、これまで以上に必要であると考えているところである。

 

 教員は子どもたちのために、自己研鑽や研修を重ね、教材を作り魅力ある授業を行い、部活動等の指導にも携わり、懸命に教育活動を行っており、その結果、本県の小・中・高校生が基礎学力を確かなものとするとともに、スポ−ツや芸術・文化面での指導などいろいろな分野で活躍していると認識している。
 しかし、ご指摘のような指導力に課題を有するいわゆる指導力不足教員がいることも否めないところである。子どもたちに確かな学力を身につけさせ、豊かに楽しく学校生活を送れるよう、教員自らが指導力の向上に積極的に取り組むことが、これまで以上に必要であると考えているところである。
県教育委員会では、全国的にも早くから市町村教育委員会と連携して顕著な課題を有する教員について、特別研修として県総合教育センタ−において個々の課題に則した研修を実施してきたところであります。それらを踏まえて、平成13年度、14年度の2年間、「指導力不足教員の人事管理調査研究検討委員会」において検討を重ね、指導力不足教員の定義、認定基準を定めるとともに、平成15年4月には関係規則、要領等を整備し、平成15年度から指導力不足教員の人事管理システムをスタ−トさせたところである。
 実施に当たっては、まず、各学校におきまして、校長が学習指導や生徒指導の具体的な様子を通して、教員個々の指導力の実態把握を行い、その結果に基づき、校長が必要があると判断した教員については、市町村教育委員会と連携を図りながら、学校毎に個別の指導や研修を進めているという段階である。
 今後、学校毎の個別の指導や研修では指導力の向上が見られない教員については、本年11月に市町村教育委員会又は県立学校長から、県教育委員会に対して、指導力に課題を有する教員に関する申請書が提出されることになっております。その申請書を基に、県教育委員会は、12月に有識者等で構成される「指導力不足教員判定委員会」に諮問し、その答申を受けて、平成16年1月には指導力不足教員として認定する予定であります。
 お尋ねの指導力不足教員の認定基準については、学校における教育活動に必要な実践的指導力、豊かな人間性、社会人としての識見この3つの観点から行うものでありまして、例えば、児童生徒を無視して一方的な授業を行うとか、不適切な言動が見られ、児童生徒との信頼関係を築くことができないなどを考えているところであります。
 そして、認定された教員の研修の中身については、平成16年度の1年間、県総合教育センタ−においてその実態に応じて、学校での授業実践研修、外部施設での社会体験研修なども取り入れ、個々の指導上の課題解決に向けたプログラムに基づく研修を行う予定であります。
 その後、現場復帰させるかどうかの判断については、個々の課題の改善状況を判定委員会で検討し、その答申を受けて、県教育委員会は、学校へ復帰する者、引き続き研修を継続する者、今後研修を継続しても学校へ復帰させることが困難であるため、教員以外に転職させる者などの措置について決定したいと考えている。
 県教育委員会では、指導力不足教員の人事管理システムは、教員一人一人の自己成長を促すしくみと捉えており、今年度新たに導入した学校評価システムと併せて運用し、児童生徒や保護者、地域から信頼される学校づくりを積極的に進めて参りたいと考えております。

 
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