1.子どものしかり方について

Q.

しかった先生を非難するケースが増加していると聞いております。

(須藤昭男)

 最近、学校の先生が子どもをしかり、行き過ぎがあったとして処分を受けるケースが増加しております。
 もちろん行き過ぎは、良くありませんが、先生が処分を恐れるあまり、萎縮してしまうようだと、もっと問題であると思います。一度注意しても従わない生徒には、時には何らかの強い指導が必要であると思います。
 以前は、先生が地域や親から信頼され、言うことを聞かない生徒に対して、多少手荒なことをしても、ほとんど問題になりませんでした。
 ところが、現在では先生が生徒に注意をしただけでも、親が学校や教育委員会に連絡を取り、しかった先生を非難するケースが増加していると聞いております。
 このため、先生がしかることを控える傾向になっているのが実情ではないでしょうか。
 少子化によって、親からあまりしかられたことがない子どもは、先生にしかられると、逆にくってかかる傾向が強いといわれております。
 近年、子どもの権利が過度に尊重される風潮もあって、大人が子どもをしかりにくくなっているのではないでしょうか。そのことが、非行少年を増長させ、注意した大人に暴力を加える「逆切れ犯罪」を誘発している側面も否定できないと思います。家庭も学校も地域社会も一体となって悪いことをしたらしかられるという自然な社会を作っていくことが何より重要であると思います。
 そこで、このような現状を踏まえて県教育委員会として、この問題をどう捉え、子どものしかり方についてどのように市町村教育委員会と現場管理者である学校長に指導しているのか、お伺いいたします。

A.

きちんとしかったりすることは、よりよく子どもを育てるとともに子どもと教師との信頼関係を築く上で、非常に大切なことであります。

 

 家庭や地域社会が有する教育機能の低下や、子どもたちが感化され影響を強く受ける社会全体のモラルの低下、さらには、子どもたちの社会体験や自然体験の機会が少なくなっている時代潮流の中で、子どもたちに豊かな人間性や社会性をはぐくむことは、学校教育のみならず、社会全体で、今、求められている重要な課題であると認識しているところであります。
 お尋ねの子どものしかり方についてでありますが、昔から「七つほめて三つしかれ」などとよく言われているように、学校において、子どもたちの問題となる行動に対して教師が愛情と信念をもって適時適切にほめたり、きちんとしかったりすることは、よりよく子どもを育てるとともに子どもと教師との信頼関係を築く上で、非常に大切なことであります。
 特にしかる場合は、教師が子どもたちの人格を大切にし、発達段階やしかる時のタイミング・場所などを考慮しながら、「どの行為をしかっているのかをはっきりわからせること」、「なぜ悪い行為なのか、なぜしてはいけないのかを、子どもたちにわかるように説明すること」、「感情的にしからないこと」などを踏まえることが必要であります。これらの指導を踏まえ、最終的には自分自身で善悪の判断ができるような子どもの育成を目指していくことが大切であると考えます。
 また、どの子どももほめられたいという気持ちをもっているとともに、ほめられることは自分の行為に自信をもち、さらに高い目標に向かって努力しようとする意欲を伸ばすものでありまして、しかることとほめることのバランスが肝要であると思います。
 県教育委員会では、これらの考え方を、生徒指導用の冊子や初任者研修用の指導資料にまとめてありますが、校長をはじめ、全教師が自分の教育理念に基づきまして、萎縮することなく自信をもって子どもたちに接するよう常に励ましているところであります。
 また、県教育委員会で保護者全員に配布した家庭教育ノートにおいて、「間違った行いは本気でしかり、その場で正すことが本当の愛情です。」と訴えておりまして、家庭や地域社会全体となって、子どもたちの善悪を判断する力や規範意識を高めて参りたいと思います。
 




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