1.少子化対策について

Q.

少子化対策についてお伺いいたします。

(須藤昭男)

 小寺県政の最重要かつ緊急の課題である少子化対策についてであります。女性が一生の間に産む子どもの数、合計特殊出生率が全国の平均は過去最低の1.29にまで落ち込み、群馬県でも同様に減り続け、1.38と県でも過去最低を記録いたしました。このまま少子・高齢化が進めば、労働力人口が減り、経済や社会に大きな影響が出ると言われております。とりわけ、現役世代が支払った保険料を高齢者に仕送りする形の年金制度は、出生率が下がり、みこしの担ぎ手が減るわけですので、いずれは破綻をいたします。1.3を下回るような出生率が今後も続けば、先に成立した年金改革法の負担と給付のシナリオも意味をなさなくなるわけであります。年金制度を守れるかどうかは、出生率低下をどう食い止めるかの1点であると思います。
 出生率を年代別に見ますと、30代後半は1.55と平均を上回り、上昇傾向にあると言われております。まさに晩婚化の結果でもあると思います。結婚が遅ければ遅いほど、子どもはできにくくなるわけであります。運よく子どもが授かればよいですけれども、不妊に悩むことにもなりかねません。最も出産が多くなければならない20代では、依然として低下傾向が続いており、この世代で回復しなければ出生率の上昇は望めないわけであります。
 今までの国や県の対応はというと、待機児童や児童虐待の取り組みを見てもわかるように、事が起きてから慌てて対策を講じることがほとんどでありまして、子どもを持ちたいと思えるような施策を本当に打ち出せてこなかったのではないでしょうか。
 少子化対策について聞いたアンケートでは、「子どもを持ちたいと思えるよう特に充実を望む施策は何か」という問いに対して、「子育てに伴う経済的負担の軽減を望む」との回答が約6割と最も多かったそうであります。若い世代に出産をためらわせる要因として、多くの調査が同じ結果を出しております。
 今まで様々な少子化対策を打ち出してきましたけれども、一向にその成果があらわれないわけであります。そして、経済的負担の軽減を望むという要望を踏まえて、私は、出生率を上げるためというよりも、これ以上出生率を下げないためには、ここで思い切って発想を転換して新たな施策に取り組む必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 また、県が今までエンゼルプランとして打ち出してきた諸施策がどれくらいの効果が上げられたと考えておられるのか、保健・福祉・食品担当理事にお伺いいたします。

A.

須藤議員の御質問にお答えいたします。少子化対策についてであります。

知事(小寺弘之)

 少子化は、出生率がだんだんと減少をしてきて、社会全体の活力の低下をはじめ、健全な社会の発展のために大変心配をしているところであります。群馬県は、全国に比較するとまだ高い水準にあるものの、しかし全体として低下傾向にあり、これを抜本的に何らかの形で解決をしていかなければならない大きな命題であると考えております。
  議員御指摘のように、問題が幾つかあると思います。1つは、経済問題であります。その経済問題についていろいろ講じられておりますけれども、これは国を挙げて取り組むべき問題でありまして、私は、もう少し、例えば課税に対して子どもの扶養に関する控除額をもっともっと抜本的に考えるとか、あるいは現在出しております児童手当についてもっと充実をするとか、そういった税財政面の充実というのが国を挙げて行われなければならないのではないかということが言えるのではないかと思います。
  それからもう1つは、例えば、かつて出生率が低かったスウェーデンとかフランスとか、そういった国々の状況を調べてみましても、そういう経済面の手当も大事でありますけれども、男性の育児に対する意識が高いということが言われております。つまり、父親の役割が日本などと比べて非常に高いということがありまして、そういう社会的な意識の変化というものも真剣に考えていかなければならないのではないかと思っております。
  それから、家族制度が前に比べて、家族の絆というものが、あるいは同居する率というものが戦後減ってまいりました。昔は、1人の子どもを育てるのに両親だけではなくて、おじいちゃん、おばあちゃん、そしていろんな人が子どもを全体で見ていたわけですけれども、今は新しい夫婦は核家族となり、そしてちょっとした熱が出てもどうしていいかわからないとか、困ったときにどうしたらいいかわからない。つまり、経験者が周りにいないということから、そういう育児に対する不安というものがかなりあるのではないかと思っております。
  これについては、県段階においても、「ファミリー・サポート・センター」であるとか、「子育て支援センター」とか、こういうものをもっと充実していくことによって、若いお母さんの不安を解消していくということが可能ではないかと思っております。
  それからもう1つ、女性が母親となって家庭で育児に専念する場合、どうしても社会との付き合いというものが・・職場におりますといろいろな情報も入り、みんなと一緒に行動ができるという雰囲気の中にいるわけですけれども、家庭にいますと、孤独感といいますか、社会との断絶感というものもあるのではないか。そういうことも解消していかなければいけないというふうに思います。
  そのための子どもを預ける施設だとか、ベビーシッターだとか、そういういろんなものがあると思いますけれども、そういう社会参加ができるようなシステムをやっていかなければならないと思っております。
  諸外国を見ますと、出生率がむしろ高過ぎて困るというところもありますし、それから低かったんだけれども、フランスやスウェーデンのように復活してきたという国もあります。ただ、同じような文明国でも、お隣の韓国などは日本よりも少ない・・1.1幾つでしたか、出生率が低いということ。だから、これは国によってどうしてそういうふうに違いが出てくるのかというようなことの、根本的な原因というものをもう少し研究しながら、国を挙げて抜本的な対策をとらなければいけないと思っております。
  そもそも人間は、自分たちの種族を増やしていくというのがもともと動物的な本能であるわけですから、その本能がなえてくる、弱まってくるというのは一体どこにあるのかということを究明しながらこの対策を打っていかないと、場当たり的なものになってしまうのではないかと思っております。これからもそうした観点に立って真剣に取り組んでまいりたいと思います。

A.

これまでの少子化対策の効果についてのお尋ねにお答えいたします。

保健・福祉・食品担当理事(宮下智満君)

 この少子化の問題につきましては、平成2年のいわゆる1.57ショックを契機として、我が国が最重要課題の1つとして取り組んできたところでございます。県といたしましても、子どもの健やかな成長支援、子育てと仕事の両立支援、子どもにやさしい環境づくりの推進などを目的として、平成8年3月に、御案内のとおり、県エンゼルプラン「ぐんぐんぐんま 子育てプラン」を策定し、子育て支援のための諸施策に積極的に取り組んできたところございます。
 その中で、特に緊急に整備を進める必要がある保育対策等につきましては、目標を定めて取り組んでまいりました。その実績の一部を申し上げますと、放課後児童クラブは平成7年度末の93カ所の状況が15年度末実績では228カ所に、一時保育は12カ所が103カ所に、延長保育は57カ所が176カ所に、低年齢児保育は7778人が1万2900人、育児ファミリー・サポート・センターは1つもなかったのが7カ所と、順調に推進してきているところでございます。
 これらの施策の効果についてでございますが、就学前の児童数が毎年12万人前後で推移してきた中で、保育所への入所児童数は、計画策定時には3万451人であったものが、本年の5月時点では4万125人と30%以上も増えておりまして、働く女性の仕事と子育ての両立支援に大きな成果を上げているというふうに考えております。また、放課後児童クラブや低年齢児保育、ファミリー・サポート・センターなどにつきましても、女性の社会進出や就労支援に大きな効果を上げているというふうに考えているところでございます。
 さらに、このエンゼルプランの取り組みは、直接的な子育て支援施策にとどまらず、幅広い意味で子どもが育つのに適した環境づくりをも含んでおりまして、子どもの健全育成に欠かせない様々な体験型事業も実施しているところでございます。子どもたちが「ぐんま少年の船」で接した北海道の雄大な自然、あるいは「ぐんま天文台」で見た本物の宇宙の美しさなど、こうした様々な体験を通して得た発見だとか感動というものは、必ずや生きる力や豊かな感性を育み、明日の本県を担う人材に育っていってくれるものと考えますと、数字に示すことは難しいわけですが、将来大きな効果があらわれるものと確信をしているところでございます。
 以上でございます。



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