2.NEETの現状について

Q.

働かない若者・NEETの現状についてお伺いいたします。

(須藤昭男)

 若者の就業問題と言えば、フリーターの増加や失業者の問題が深刻となっておりますが、フリーターは、身分はどうあれ働いておりますし、失業者は仕事を探している人々のことで、ハローワークに行って求職の申し込みをしたり、求人雑誌で職探しをしたり、とにかく仕事を探している人々が失業者と呼ばれております。
 最近、NEETという言葉がテレビや新聞で話題になっております。NEETとは、「Not in Employment, Education or Training」の略で、職にもつかず、学校機関にも所属せず、そして就労に向けた動きをしない若者を指します。いわゆる無業者であります。
 ある研究者による分類によりますと、NEETは4つに分類されるそうであります。1つ目は反社会的で享楽的、今が楽しければいいというヤンキー型、2つ目は社会との関係を築けず、こもってしまう引きこもり型、3つ目は就職を前に考え込んでしまい、行き詰まってしまう立ちすくみ型、4つ目はいったんは就職はしたものの、早々にやめ、自信を喪失したつまずき型等であります。こういった若者がどんどん増えているのが現状であります。タイプはいずれにいたしましても、NEETである若者は年々増え続け、現在では63万人に上ると言われ、社会問題になってきております。
 一体、NEETの若者はどのように生活しているのでしょうか。親にパラサイトをして生活しているケースがほとんどでありまして、NEETの半数以上が中学卒、高校中退、あるいは高校卒であります。そして、その予備軍と見られているのが不登校の子どもたちであります。
 現在、県内の不登校の子どもは、小・中合わせて1869人、高校生の中途退学者は942人いると言われております。東京都三鷹市では、NPO法人が社会参加に向けたトレーニングの場を提供するパン屋を開店させたそうであります。NEETで悩んでいる若者にとっては、まさに朗報であります。
 そこで、県内に働かず、学校にも行かない無業者、NEETと呼ばれる若者は一体どれくらいいるのでしょうか。そして、本県NPO法人のNEET支援の現状はどうか。また、行政としてその対策についてどのように考えているのか、教育長並びに産業経済担当理事にお伺いをいたします。 

A.

働かない若者・NEETの対策についてお答えを申し上げます。

産業経済担当理事(寺澤康行)

 まず、県内におけるいわゆる「NEET」の人数であります。「NEET」の実態はつかみにくく、正確な数値の把握はしておりません。しかしながら、平成15年の総務省の労働力調査をもとに、15歳から34歳までの若者で、働かず、働こうとする意思もなく、また家事も通学もしていないという人は、7000人程度ではないかというふうに推計をしております。
 次に、NPO法人による「NEET」支援につきましては、現在、本県において不登校、あるいは引きこもり等の問題に取り組むNPO法人については、8団体を確認しております。ただ、「NEET」問題に取り組むNPO法人はないと承知をしております。
 次に、行政としての対策についてであります。
 こうした「NEET」の増加は、お話にもありましたとおり、「NEET」自身の将来について深刻な問題であるだけではなく、少子・高齢社会にありまして、産業を支える若年人材の不足を招くとともに、当然、消費の縮小、税収減、年金問題など様々な社会的影響が懸念をされます。
 このため、県といたしましては、若者の就職支援といたしまして、この7月に「群馬県若者就職支援センター」を高崎、桐生、沼田の3カ所に開設し、「NEET」を含めた若者を対象に、職業に関する情報提供、あるいはカウンセリング、それから職業紹介までの一貫した就職支援を行っております。開設後、間もなく3カ月を経過しますが、これまでに3カ所で延べ4100人が来所、うち延べ1200人がカウンセリングを受け、就職に結び付いた者は82人を数えております。
 こうした中で、家に閉じこもりがちな「NEET」への対応は容易ではありません。しかしながら、当センターにおきましては、本人に代わって親からの相談を受けまして、自宅に出向いてカウンセリングを実施したことにより、引きこもりがちな若者が就職面接を受けるまでに至った事例も見られております。
 この若者就職支援センターは、対象としている若者と同じ目線で対応していこうと窓口対応は若者中心に運営しております。まず、このセンターに足を運んでいただければと思いますが、足を運ぶ若者は、ある面で働くことを真摯に考えている若者であります。「NEET」の若者に自発的に足を運んでもらうのは難しいことも承知しております。このため、当面、親に向けたセンターの広報を強化いたしまして、自宅に出向く出前カウンセリングによりまして「NEET」の若者に就業意欲を持たせ、自ら就職活動ができるよう支援を行っていきたいというふうに考えております。
 さらに、今後、御指摘がありました三鷹市の先進事例、これは十分に参考にさせていただきまして、教育委員会あるいはNPOとの連携を図り、1人でも多くの「NEET」を就職に結び付けることができるよう努めてまいります。
 以上であります。

A.

学校教育におけるNEET対策というふうな御質問にお答えさせていただきます。

教育長(内山征洋)

 平成16年3月の全日制公立高等学校卒業者は1万5440名おりましたけれども、そのうち、いわゆる浪人を除いて、進路の確定していない者が775名でした。卒業後の進路の実態把握というのは、これは実は卒業生の協力がなかなか得られないということがありまして難しいんですけれども、この中に進学も就職もしない、さらに進学努力や求職活動もしないという、いわゆるNEETと言われる人たちがどの程度含まれているかというのは、正直なところ不明であります。
 NEETについては、働くという意味での社会参加の意識が十分に育っていないのではないかということが指摘されておりまして、学校教育においては、人間としてのあり方や生き方に関する教育を計画的に行いまして、好ましい人間関係を築く力や目的意識を持って主体的に生きようとする意志と能力等を身に付けさせることが重要であるというふうに考えております。
 現在、学校においては、中学校段階から職場体験をはじめとする進路指導を通じて、健全な勤労観・職業観の育成に努めているところであります。特に今年度、伊勢崎佐波地区の小・中・高校と家庭・産業界・行政機関が一体となって、勤労観・職業観を発達段階に応じて組織的・系統的に育成するための研究実践を開始したところであります。
 このNEETの問題は、現代社会の構造的な問題であるというふうに考えておりますけれども、この問題の解決のためには、先ほど産業経済担当理事の方から話がありましたように、関係機関、NPO、あるいはボランティア団体等の連携が不可欠であるというふうに考えております。若者たちが労働を通じて進んで社会参加しようとするための支援体制を地域社会と一体になって構築するため、今後とも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。



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