3.「教育バウチャー制度」について

Q.

「教育バウチャー制度」についてお伺いいたします。

(須藤昭男)

学校週5日制が導入されて3年目を迎えておりますけれども、「子どもたちの学力が低下をしている」との声が各方面より聞こえております。21世紀の日本を背負っていく子ども、そして世界で活躍できる子どもにするためには、しっかりとした学力を身に付けさせることが最も重要であります。
  今の子どもは、ある面においては豊かさに負けてしまっているのではないでしょうか。私は、昔に比べて物質的には何不自由のない世の中となり、ハングリー精神も薄れ、競争がなくなってきていることが要因のひとつであると考えております。教育現場にも競争原理は当然必要だと考えておりますけれども、競争をさせるひとつの考え方として、アメリカで成功しているシステム、教育バウチャー制度についてお伺いをいたします。
  バウチャー制度は、日本の行政サービス分野ではほとんどなじみがありませんけれども、アメリカの行政サービス分野では幅広く取り入れられているシステムであります。バウチャーとは、もともと商品券とかクーポン券といった意味ですけれども、バウチャーは行政機関が住民に対して福祉や教育等の行政サービスを提供する際に、競争原理を導入できる制度として注目を浴びております。
  例えば、行政機関が各家庭にバウチャーを配った場合、どの施設でそのバウチャーを使うかの判断は各家庭にゆだねられ、個人による選択の自由が与えられるわけであります。一方、各施設の方は、顧客である家庭に選んでもらわなければ補助金がもらえないわけであります。そのため、必死に営業努力をすることになります。このように、教育や福祉といった公共の市場にも自由競争が導入できるというシステムであります。
  教育バウチャー制度では、このクーポン券を学校を選ぶ際に使用します。学校教育に支出する公費の流れを逆流させ、直接教育費をまずクーポン券にして親に配り、子どもは学習に必要な学費を自分の手にして、自分の住んでいる学区に限らず、自分の望んだ学校にそのクーポン券を出す仕組みであります。
  教育バウチャー制度を導入した場合、各個人が自ら望む学校を選択でき、そのことにより学ぶ意欲ややる気を取り戻し、自分たちの意思でそれぞれの興味や好奇心を追求するようになることがメリットではないでしょうか。
  もちろん、この制度はアメリカで成功したから日本で成功するはずだと言えるものではないことは十分承知をいたしております。アメリカ社会の問題を解決する手段として考えられたものであり、日本が制度だけ取り入れたところで、本質的な効果は期待できないと思います。日本の教育現場の置かれている状況とよく照らし合わせながら、独自の解決策を見出すことが重要であると思います。
  そこで、教育バウチャー制度について、県はどのような考えを持っているのか、また、導入した場合のメリット、デメリット等について、教育長にお伺いをいたします。 

A.

「教育バウチャー制度」について

教育長(内山征洋)

 教育バウチャー制度についてですけれども、正直言って、私、御質問いただくまでこの教育バウチャーというのがどういう制度かわからなかったものですから、昨日勉強させていただきました。それで、私の理解としては、教育バウチャーというのは、先ほど議員の方からありましたように、政府が保護者に対して私立学校の授業料に充当できる一定額の現金引換券、これをバウチャーと言うんだそうですけれども、これを支給することによって、低所得家庭の子どもたちに教育レベルの高い私立学校に通学する機会を提供することで、私立学校選択を支援するとともに、公立学校と私立学校との間に競争原理を働かせ、公立学校改善を促すための制度で、現在、アメリカの一部で導入されているということを聞いております。そういう理解でよろしいでしょうか。(「そうです」と呼ぶ者あり)
 このバウチャー制度導入の効果としては、幾つか調べてみましたけれども、生徒の出席率と保護者の満足度が向上したという報告がございます。バウチャー制度が生徒の学力到達度を改善するためのプログラムとして有効であるかどうかという点については、今のところ明らかではないというような報告があります。また、自治体によっては財政負担の問題も出ているというようなこともあります。いずれにいたしましても、今後、さらにこの制度については研究してまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いします。




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