1.少子化対策について

Q.

少子化対策についてお伺いいたします。

(須藤昭男)

 小寺県政の最重要課題でもあり、私も毎回この壇上で質問をしております少子化対策についてお伺いいたします。
 少子化によってもたらされる問題は大変重要であります。年金問題をはじめ、労働力の減少、若い世代の社会負担増など、日本の将来に大きな影を落としております。
先日、財務省が発表した国の借金は、前年度末より14兆2821億円増の795兆8338億円となり過去最高を更新したそうであります。国民1人あたり約624万円の借金を背負っている計算になり、先進国の中でも財政状況は大変厳しいものとなっております。こうした状況下にもかかわらず少子化は進行しております。国や県では有効と思われる様々な施策を講じてきましたが、少子化に歯止めがかかっていないのが現状であります。少子化問題は私たち社会に生きるすべての人々に密接にかかわる問題であり、避けて通れない重要課題であります。現在、子育てをしている現役世代を対象に行ったアンケートでは、使いやすい保育サービスの充実、児童手当の拡充や子どもの医療費・教育費負担の軽減、不妊治療への助成拡大、産婦人科・小児科の医師や助産師・看護師の確保、など様々な要望が寄せられておりますが、私が中でも注目したのが育てた子どもの数に応じた年金の優遇であります。財政的な支援によるものでなく、知恵による施策も重要であると思います。
 県としても、今まで少子化対策の中心だった保育所の整備や児童手当の拡充、医療費の軽減など、財政支出を伴ったものだけでなく、お金のかからないこうした知恵の部分を今後の少子化対策に打ち出していく必要があると思いますが、知事の御所見をお伺い致します。
 また現在、県が推進しております「ぐんま子育てヴィジョン2005」の中で少子化に歯止めをかけるため、具体的にどのような施策に重点をおいて取り組んでいくのか、保健・福祉・食品担当理事にお伺いいたします。

A.

御指摘のように、財政的支出を伴う対策だけではなくて、もっと幅広い観点から施策を講ずるべき。

知事(小寺弘之)

  須藤議員の御質問にお答えをいたします。
  少子化対策についてであります。
  この少子化問題というのは、経済、そして社会、多方面にわたって今後の日本に大きな影響を与える問題でありまして、真剣に対策を講じていかなければいけないと思っております。少子化の原因は経済的な原因とか、あるいは若いお母さんが子どもを育てるのに、昔と違って核家族になってきたので相談相手がいないこととか、いろんな不安があるとか、晩婚化とか未婚化とか、子育てと仕事との両立だとか、いろいろな原因があると思います。しかしながら、合計特殊出生率というのが下げどまることがないというのが現状でございます。
  一方で、子育てというのはいろいろな苦労もありますけれども、子孫を増やしていく、そしてかわいい子どもの顔を見るという楽しみもあるわけでありまして、そういったことから、社会全体としてみんなが参加をして、未来の日本をつくっていかねばならないと思います。
  御指摘のように、財政的支出を伴う対策だけではなくて、つまり保育所の整備とか、児童手当の拡充だとか、医療費の軽減だとか、そういったことも大事だけれども、もっと幅広い観点から施策を講ずるべきではないかということでありまして、私も全くそのように思っております。
  具体的な例として、年金の支給について、子どもということを考えて年金制度を改革すればいいじゃないかという御提言もありました。私も、そういうこともひとつの案ではないかと思っております。それから、例えば税制上でももっと抜本的に、子どもがある場合は控除額を増やすとか、相当思い切った国家的な──もちろん県もやりますけれども、国を挙げての政策をやっていかなければならないことだと思っております。
  諸外国を見てみましても、中国はむしろ増え過ぎて一人っ子政策をやっているわけです。でも、一人っ子政策であっても、事実上2人以上産んでいるというようなことも耳にします。ただ、政策とすれば中国は一人っ子政策で、逆に人口を抑えているわけであります。
  それから、韓国は日本と同じようかなと思っておりましたら、意外なことに、日本以上に出生率が低いということだそうでありまして、そういうことになります。
  それから、北欧諸国は少子化の典型的な国だと思っていたら、いろいろな施策を講じたか、どういうことだか知りませんけれども、最近になって下げどまりになって少し上向きになっているとか、あるいはフランスもそうであるとか、いろいろ国によって変化しております。だから、そういう事情をよく研究をして、国家的な対策を打つべきではないかというふうに思っております。
  この間の総選挙でも圧倒的な多数で政府・与党は安定政権を築いたわけでございますから、郵政民営化のみならず、こういった少子化の問題とか年金の問題とか、我が国が決めていかなければならない大事な政治的諸課題がいろいろあると思いますので、私はそれがどういう方向に具体的に進むのかを大いに注目しておりますし、期待もいたしております。
  それから、県の考え方でありますけれども、今回、9月補正予算、今お願いしている補正予算の中でも「みんなで子育て応援事業」というのをお願いしてございますが、県内で子育てに関心を持って活動しているNPO、団体、グループや自治会などの団体に少額の支援をすることにより、子育ての社会化が実現できるのではないか。それぞれの団体や市町村で行っている親子を対象とする事業も、そこに祖父母も参加できるようになれば子育ての知恵が伝えられるのではないか。加えて、若者の意識を変えていくキャンペーン、男性が子育てに参加していくような、そういう機運づくりというものをやっていく必要があるだろうと思っております。
  いずれにしても、我が国では戦後、経済が発展し文明も進化すると同時に、個人の人格や人権も尊重される。個人主義も出てまいりましたけれども、やはり今の社会を見てみますと、子育てに限らず、いろいろなものが、人間は1人では生きていけないんだ、災害のときも何のときにも、まちづくりにしても、1人では生きていけない、家族との絆も大事にし、そして地域の人とも絆を大事にし、助け合ってこの社会をつくり上げていくという精神をもっと高めていく必要があるのではないかと思っております。

A.

ぐんま子育てヴィジョン2005の実行するということ、子育て環境の整備は、少子化対策のメイン事業になる。

保健・福祉・食品担当理事(福島金夫)

  少子化対策のうち、「ぐんま子育てヴィジョン2005」の重点施策について答弁をさせていただきます。
  ぐんま子育てヴィジョン2005につきましては、「子どもを育てるなら群馬県」を基本理念に、また「子育ての社会化」を基本方針に据えまして、群馬県にふさわしい子育て文化を育み、子育てに夢と希望を持てる社会づくりを進めていくための指針として位置付けております。
  ヴィジョンの4つの基本的な視点としましては、1つとしましては、子ども・親・社会を育てる、2つとしましては、子育ても仕事も大切にする社会を育てる、3つ目としましては、子育てを取り巻く環境を育てる、4つとしては、10年後の群馬県を育てる、こういったことを定めまして、従来からの保育関係事業や放課後児童クラブ、学童保育などをはじめとしました様々な分野におきまして具体的な施策を着実に進めていくこととしております。
  このヴィジョンの中では、子育てに負担感の軽減をやったらどうだろうかという観点から、特に「重点的な取り組み」としては2つございます。1つとしては、「子どもにやさしい社会をつくろう!」ということ、2つ目としては、「男性がもっと子育てしよう!」ということの2つを設定いたしました。
  この重点施策の1つ目であります「子どもにやさしい社会をつくろう!」ということは、共働き世帯やひとり親世帯をはじめ、様々な状況にある子育ての当事者が安心して子育てができ、すべての子どもが幸せになるために、「子育て」を社会全体で支える環境を整えていこうというものでありまして、子育ての社会化と表現するものではないかなというふうに考えております。
  具体的な事業を例示的に挙げさせていただきますと、児童虐待の予防・防止の観点から、こども相談センターでの人材育成事業に取り組む、また新たに、子育て親子の交流を行う「つどいの広場」や、おおむね午後10時までの「夜間保育」に目標値を設定する、そのほか病気回復期等の乳幼児の一時保育を行います「乳幼児健康支援一時預かり事業」の拡充などを行うこととしております。
  また、2つ目の「男性がもっと子育てしよう!」につきましては、子育ては男女が協力するものであるという考え方に立ちまして、例えば男性の育児休業の取得率を、現在0.2%でありますが、10年後には10%達成を目標としようということとともに、男性の働き方の見直し、男性自身が子育てに積極的に取り組もうとする意識を持ってもらうような取り組みを進めていこうと考えております。
  ぐんま子育てヴィジョン2005を実行するということ、子育て環境の整備をするということにつきましては、少子化対策のメイン事業というふうになると考えておりますので、重点事業を含めまして、着実に確実にこの事業を進めていくことが大切と考えております。
  以上です。



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