(1)進捗状況について  県土整備部長

○腰塚誠 議長

県土整備部長。
         (川瀧弘之県土整備部長 登壇)

◆須藤昭男 議員

 八ッ場ダムの建設の是非につきましては、これまで県議会においても様々 な議論が交わされてきました。先の2月定例県議会においても、我が党の萩原議員から賛成討論の中で地元住民の切なる願いが述べられました。 八ッ場ダムの治水、利水の両面からの必要性については、これまでの間、地元の南波議員、萩原議員をはじめ我が党の議員が述べてきたとおり で、何ら変わるものではありません。そして、昨今の地球温暖化による異常気象、大雨や干ばつによる水不足等が心配される中、将来の安心の ためにも必要な施設であります。
 先週、環境省から発表された地球温暖化による影響は、自然環境だけでなく農業や人の健康にまで幅広く及ぶ可能性があると予測されており ます。2030年での洪水による被害額は現在よりも1兆円増えることが予測され、温暖化の影響で豪雨の発生頻度が増し、現在の治水施設では対 応できずに浸水が広がるケースが増加するためだそうで、特に都市部などで被害が拡大する可能性が高いと言われております。反対に水不足に よって長期の渇水に見舞われる地域もあり、飲料水はもちろん、農業用水も不足するおそれがあると指摘をされております。
 地球温暖化対策で最も重要なことは二酸化炭素の発生を削減していくことでありますけれども、被害軽減のための対応策も同時にとっていく ことも重要であると思っております。八ッ場ダム建設の目的は、洪水調節、流水の正常な機能の維持、都市用水の供給であります。そして、 年々進んでいる地球温暖化の被害軽減対策としても重要な施設であると認識をしております。
 そこで、現在のダム関連事業の進捗状況につきまして、県土整備部長にお伺いをいたします。

◎川瀧弘之 県土整備部長

 それでは、八ッ場ダム事業の進捗状況について御説明いたしたい と思います。
 まず、国土交通省が事業をしている部分でございますが、平成20年3月末における進捗状況は、事業費ベースで用地取得が73%、家屋移転69%、 付け替え鉄道81%、付け替え国道及び県道が57%の進捗率となっております。また、ダム本体はまだでございますが、本体工事と密接な関係にあ る仮排水トンネルが今月10日に工事着手するとの発表が、先般、国土交通省からなされたところであります。それから代替地の整備についてであ りますけれども、昨年6月から水没5地区で分譲手続きが開始されまして、本年度はすべての代替地地区で分譲手続きが始まるというふうに聞い ております。平成22年度末までには全地区で代替地の整備が完了できるということも国土交通省から聞いております。
 2つ目の柱としての水源地域対策特別措置法、いわゆる水特法に関係する事業についてでありますけれども、これは全部で62の事業がありまし て、そのうち42の事業が事業化をされております。うち11事業が完了しております。現在、31の事業が継続実施中であります。その他の残りの事 業についても、国が進めている最初のダム事業の進捗状況に合わせまして、早期に事業化をする予定であります。
 3つ目の柱の利根川・荒川水源地域対策基金についてであります。いわゆる基金事業と申している事業でありますけれども、これにつきましては、 下流の都県とのたび重なる協議を経まして、移転用地等先行取得のための利子補給事業、生活相談員設置事業などソフト事業とともに、長野原町の 新温泉源の開発事業などのハード事業を合わせて18事業、約40億円を平成19年度末までに執行してきたところであります。
 今後の事業についてでありますけれども、県といたしましては、引き続き付け替え道路等の整備を促進するとともに、国が行っている代替地の 整備、分譲の進捗が図られ、あわせてダムの本体工事の早期発注並びに水没関係住民の生活再建に万全を期すよう、地元の長野原町や東吾妻町と 連携を図りながら国土交通省に働きかけてまいる所存であります。

◆須藤昭男 議員

 部長にはありがとうございます。しっかりとした対応をとっていただくよう に要望をさせていただきます。

 続きまして、茂原副知事に御答弁をお願いいたします。

(2)水没関係住民への支援について  茂原副知事

○腰塚誠 議長

 茂原副知事。
         (茂原璋男副知事 登壇)

◆須藤昭男 議員

 私の地元みどり市には草木ダムというのがあります。先日、草木ダムに調査に 行ってまいりました。調べてみますと、草木ダムと八ッ場ダムというのは非常に共通する点が多くありました。まず草木ダムについては、昭和52年 に完成をして、現在まで30年余りが経過しておりまして、治水、利水の両面で大きな役割を今果たしております。八ッ場ダム、草木ダムのそれぞれ の計画をされた年度は昭和24年と昭和26年で、2年違いでほぼ同時期でありました。予備調査が開始された時期も昭和27年と昭和33年で、ほぼ近い 年代でありました。
 そして何よりも共通していたなというふうに私が認識したのは、両方ともダム建設の地元で大きな反対運動が過去に行われてきたということであ ります。八ッ場ダムでは昭和27年にいきなりダム事業が地元に示され、反対運動は苛烈をきわめたそうであります。昭和55年に県が仲裁する形で生 活再建案を地元に提示して、その後、ようやく平成4年に国、県、町でダム事業の基本協定が締結され、現在に至っていると承知をしております。 草木ダムも同様に計画が地元に示された後は激しい反対運動が沸き起こりました。この地域は交通の便も悪くなく、居住者も多く、漁業補償権もあ りまして、交渉は難航したそうであります。私たちは、こうした地元住民のはかり知れない犠牲が過去にあったということを忘れてはいけないとい うふうに思っております。草木ダムのあるみどり市東町では、毎年8月15日に「水と緑の集い」というタイトルで、ダム建設に伴って水没した旧東 村の移転者の方々が、お盆だけでもふるさとで旧交を温めていただこうと草木湖まつりというのを開催いたしております。昨年で30回を数えるまで になりました。
 八ッ場ダムにつきましては、現地の住民でダム事業そのものに反対をしている方はほとんどいらっしゃらないというふうに聞いておりますし、一 日も早くダムを完成させて、新しい移転地で安心した生活を望んでいらっしゃる方が大半だというふうに思っております。現地生活再建が計画どお りにしっかりと行われ、一日も早く地域住民が安心して生活が送れるように、平成27年の完成を要望するものであります。
 そこで、群馬県として水没関係住民への支援対策についてどのように考えているのか、八ッ場ダム地域生活再建推進連絡会の委員長でもある茂原 副知事にお伺いをいたします。

◎茂原璋男 副知事

 お答え申し上げます。
 八ッ場ダムの生活再建の関係でありますが、今、我々も水没地域の住民の皆さんの気持ちを考えるとき、今となっては一日も早く新しい生活を スタートしたい、そういう気持ちが本当だと思います。須藤議員のおっしゃるとおりではないかなというふうに感じております。  また、そういう中で、大澤知事の八ッ場ダムの問題に対する基本姿勢でありますけれども、八ッ場ダムは基本的には国の事業でありますけれども、 決して県はほうっておいてはいけない、県民の生活に直接関わる問題であり、県としてできる限りのことをしていかなければいけない、そういう基 本姿勢であります。
 そういう中で、先般、12月23日に八ッ場ダムの工期5年間延長ということが国から発表されました。それによって生活再建がまた遅れてしまうの ではないか、そういう心配を抱いた地元の方たちも大変多かったのではないかなというふうに思います。県として現地生活再建を第一に考えて、支 援策を緊急また総合的に推進するということを改めて考え直さなければいけないということで大澤知事から指示をいただいて、私を委員長として、 また庁内各部の部長を委員とする庁内の横断的な組織として、八ッ場ダム地域生活再建推進連絡会というものを昨年12月25日に立ち上げたところで あります。
 この会議では、12月25日を含めて、これまで6回会議を開催して、関係部長、課長、そういう皆さんで、地元の皆さんの目線に立って、地元の人 の立場に立って、どういうことをやったらいいのかということを真剣に検討していただきました。その結果として、5月26日に観光振興、教育の問 題、文化振興、あるいは産業、農林、地元の住民対策、そういう分野に分けて27項目の対策をまとめて発表させていただいたところであります。
 いくつかの例を紹介申し上げますが、観光客の増加を目的とする宿泊費の一部補助というようなものもやりたい。そして、工場見学会も行って観 光振興対策というものを実施したいということもございます。また、買収済みの用地を利活用して臨時駐車場を整備したり、あるいは高齢者、観光 客向けの遊技施設の整備など、地元の要望に応じて整備していきたいということも入っております。さらに、教育・文化対策としては、本年度ぐん まコミュニティー・ハイスクールというものの認定を受けた長野原高校の空き教室を利用した講演会等の実施にも取り組むことといたしております。 産業・農林対策としては、特産品の開発や中小企業の経営相談についても支援を考えているところであります。地元住民対策としては、地元商店の 利用促進、既存住宅等の補修に係る借入金の利子の一部補助などを緊急対策として実施する方針であります。
 これら支援策につきましては、方針を決定した翌日の27日に、これは県で直接やるということよりも地元の町でやっていただくこと、あるいは地 元の皆さんにやっていただくことが中心になりますので、長野原町当局に対し県土整備部から説明を行ったところであります。これらの支援のメニ ューを十分活用していただくことで、地元住民の皆様の将来への不安を少しでも払拭できればということで期待をしているところであります。
 以上であります。

◆須藤昭男 議員

 今、副知事から生活再建のメニュー27項目でいくつかお示しをいただきました けれども、答弁の中で相手の立場に立って支援をしていくことが重要であるというふうに述べられました。まさにそのとおりであると思います。 相手の立場に立てばこそ御理解が得られるわけでありますので、積極的に、そして皆さんお一人お一人が地元の再建者になったつもりで支援策をと っていただくことを切に要望する次第であります。ありがとうございました。

 続きまして、時間がありませんので次の質問に移らせていただきます。交通安全協会及び防犯協会のあり方について、警察本部長にお伺いをいた します。


定例議会一般質問へ戻る / ホームに戻る