4.わたらせ渓谷鐵道の再生について

〇須藤昭男君 続きまして、わたらせ渓谷鐵道の再生についてお伺いをいたします。
  今日は、地元の石原みどり市長さん、そして地元の何名かの市会議員さんも傍聴に見えられております。ぜひとも前向きな御答弁をお願い申し上げます。
  私は先週の日曜日、すばらしい秋晴れのもと、わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車に乗ってきました。たまたま伺ったら、わたらせ渓谷鐵道の松井専務さんがいらっしゃって一緒に御案内をいただきまして、一緒に通洞駅まで行ってまいりました。改めて、すばらしい観光資源であるということを再認識してまいった次第であります。
  現在、わたらせ渓谷鐵道の経営立て直しを検討する沿線自治体で構成するわたらせ渓谷鐵道再生協議会は、新たな経営再建策を模索しておると聞いております。これまで様々な経営再建に向けた取り組みを試みてきましたが、残念ながら決定打に至っておりません。様々な識者の方々が鉄道再建に向けた提案をされておりますが、その多くが日光と結び付けるものであります。世界遺産でもある日光には、年間600万人の観光客が訪れているそうであります。その中の1割、60万人がわたらせ渓谷鐵道に乗っていただければ、現在のわたらせ渓谷鐵道の年間乗車数に匹敵するわけであります。そのためには、日光循環観光ルートの確立を訴える方が非常に多くございます。東京、日光、中禅寺湖、わたらせ渓谷、そして東京、この循環観光ルートが実現をすれば再生の第一歩となると思います。
  そしてまた、群馬県民でもまだわたらせ渓谷鐵道に乗車したことがない方も多数いらっしゃるんだと思います。両毛線桐生駅から日光へ行くルートが確立をすれば、県内の方々も非常に利便性が高くなると思います。市町村合併が行われまして、旧足尾町は今日光市になっております。桐生市とみどり市、日光市を通るこの沿線でありますけれども、このわたらせ渓谷鐵道という名前の中に日光という名前を加えれば、例えば日光わたらせ渓谷鐵道のように社名変更すれば、また違った意味で、観光客が間違って日光から違った道を通って、これで帰ろうという方もいらっしゃるんだと思います。ですから、その社名変更もあわせて検討していく余地があるのではないかというふうに思っております。
  そして、地域の足として重要な路線であると同時に、渡良瀬川の沿川や四季の自然が車窓を彩る旅路は全国有数であり、貴重な路線でもあります。そこで、わたらせ渓谷鐵道の筆頭株主である群馬県として、今後わたらせ渓谷鐵道の振興方策をどのように考えているのか、小寺知事にお伺いをいたします。
〇議長(大澤正明君) 知事。
〇知事(小寺弘之君) わたらせ渓谷鐵道は、おっしゃいますように、まず渡良瀬川の渓谷を走る鉄道ですから、本当に美しい風景であります。川の流れもいいし、空気もいいし、緑もあるし、非常にいいところだと思います。そして、これまでにも水沼温泉センターをつくったり、あるいは途中で富弘美術館ができたり、足尾町の銅山観光もあるしということで、いろいろ観光資源もあったわけでございます。ただ、これは鉄道事業としては採算がとれないということで、昭和62年の国鉄の分割民営化に伴って、いわば国鉄からは離れて、そして第三セクターとして発足した経緯がございます。それから一所懸命経営努力もし、その間、改善も図ってきたんですけれども、特に平成11年からは赤字の幅がだんだんと拡大してきているということにあります。これは非常に優れたいい残したい鉄道だというふうに思うんですけれども、通勤・通学客が減るとか、それから並行する国道122号線が整備されて、車利用者が多くなってしまったとか、いろいろな事情があってなかなか経営が困難だというふうに客観的には見えるわけです。
  ただ、沿線市町村、特に経営陣も一所懸命で、いろんなアイデアを出しておられます。アイデアを出してもなかなかうまくいくことばかりではないので、その苦労はよく察しているところでありますけれども、何とか応援してあげたいというような気持ちでおります。
  日光との結び付きにつきましても、最近、電車と自動車と一緒にしたようなものもあるそうでありまして、線路のときは車輪で走っている、道路になるとタイヤでもって走るというような交通機関もあるようでありますので、そういったことも考えられますし、今議員おっしゃった日光との結び付きも考えられると思います。できるだけの知恵を絞ってやっていきたいものだと思っております。松島社長も市会議員をやめて社長に専念するというぐらいの気持ちで取り組んでおられるようでありまして、県としてもできるだけの応援をしてまいりたいと思っております。
  ただ、これはやはり沿線の人々、あるいは沿線の自治体、関係者がみんな一致協力してやらないとできないことでありますので、そういった理解も広めながら取り組んでいかないと成功が難しいかなという感じを持っております。
  以上です。
〇須藤昭男君 知事から何とかして支援をしなければいけないという御答弁をいただいたので、非常に心強く感じております。
  先ほど知事からデュアル・モード・ビークルのお話がありましたけれども、これは実は栃木県の福田知事が北海道に行ったときに、JR北海道で試験的にやっているそうですけれども、そんな資料をもらって、日光市長にお渡しして、再生協の方で提案がなされたようでありますので、私も資料を見させてもらいましたけれども、非常にコンパクトで、これから観光の目玉になるような部分もありますし、費用対効果を考えても、通常のいろんなメンテからかかる部分よりも数段安く導入できたりとかいろいろあるようですので、ぜひとも群馬県も積極的に検討していただけばというふうに思っております。
  それから、わたらせ渓谷鐵道、会社自体も非常に努力をしてくれておりまして、この間、私が訪問していろんなお話を伺ってきましたけれども、この夏は従業員の方のボーナスはゼロだそうであります。賞与を出せない状況でありまして、それにも関わらず若い社員の方々が一所懸命お客さんに接しておられたり、前向きな姿勢も非常に感じてきましたので、群馬県もできる限りの支援をしていっていただけばというふうに要望を申し上げます。ありがとうございました。
  続いて、今度は理事にお伺いをいたしますけれども、経営が大分厳しくなったひとつとして、わたらせ夢切符という事業を導入したんですけれども、これが実質的に失敗に終わりまして、結果的には今申し上げましたようにより厳しい経営を迫られることになりました。このわたらせ夢切符導入に至る経緯をお知らせください。
〇議長(大澤正明君) 県土整備担当理事。
〇県土整備担当理事(川西 寛君) お答え申し上げます。
  わたらせ渓谷鐵道でございますが、開業以来経営を支えてきました基金が底をつき始めまして、路線の存続が大変厳しくなってきたということで、平成15年7月、議員も御指摘のとおり、群馬、栃木両県並びに沿線自治体で構成されますわたらせ渓谷鐵道再生等検討協議会をつくりまして、いわゆる再生への道を探ろうということで、様々な方にも御参加をいただいて検討を始めたところでございます。
  その中で明らかになったことの1つは、バス輸送による代替も可能なのですが、鉄道存続にも一定の効果があるということが1点、2つ目が、住民の方々の利用というのは現実には少なくなってきていますが、存続に対する熱意は大変強いということが明らかになりました。これを受けまして、先ほど御質問の夢切符でございます。導入の検討の過程では、実は内部では様々な議論がございましたが、鉄道を存続させていくうえで、観光収入だけでは大変不足をするということでございますので、安定的収入源を確立する必要があるということがございました。こういうことで、地域の公共交通は地域で支えていただくという理念のもと、趣旨のもとに導入されたものでございます。このために、会社、それから沿線自治体合同によりまして、この販売促進を積極的に取り組んできたところでございます。例えば、各地区の住民説明会の開催でございますとか、特典の協力店、こういったことにも取り組んできているということでございます。
  ただ、残念ながら、地元出身のお医者さんが大量購入、約1000枚を購入していただいたという明るい話題もあったんですが、17年度の販売枚数は3922枚、これは目標の18%、2割に満たないという大変厳しい結果になりました。したがいまして、今回会社の方から、1年間でありますけれども、この度の10月1日をもって廃止をしたいということで提案を受けて、再生協としても承認をしたというところでございます。
  以上です。
〇須藤昭男君 販売予定枚数2万2000枚を計画していて、実績がわずか4000枚弱、今おっしゃいましたように、達成率18%しか満たないということでありまして、これは普通の民間企業であれば、その会社の命運を担って提案をした新規事業が惨たんたる結果として終わったわけでありますよね。結果的に経営に大きなダメージを与えたということでありますから、民間企業であれば担当役員ですとかが責任をとる。それでまた新たな方針を打ち出していくというのはごく当たり前だと思うんですけれども、第三セクターという性格上、いろいろ難しい問題はあると思うんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、現場では皆さんが非常に頑張っておりますので、地元の当時の関係者で反対された方もいらっしゃると思いますけれども、群馬県の方が積極的に提案をして、それを進めたというような話も聞いておりますので、過去のことを言ってもしようがないんですけれども、これから先ほど申し上げましたとおり、きちっと再生できるような形で県の方も支援をしていっていただきたいというふうに思います。
  ちょっと時間がないものですから、申しわけありません。ありがとうございました。
〇県土整備担当理事(川西 寛君) 先ほどの夢切符でございますが、先ほど知事のお答えの中にもありましたが、いわゆる基調は赤字基調でございます。その中で、確固たる収入源と経費の削減で収支均衡しなければ経営は存続できないということで、現在の再生方針ができております。この収入源が失敗をしたということでございますので、もっと条件は厳しくなっていると我々は思っておりますので、ぜひ沿線自治体、会社、もちろん県もそうでございますが、大変厳しい条件の中で、今一所懸命存続のあり方、道を探っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  以上です。
〇須藤昭男君 ありがとうございました。



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